令和6年公益法人制度改正にいう使途不特定財産規制とは
公益社団法人及び公益財団法人が適正な運営を維持するためにクリアしなければならない3つの財務的な基準のことを公益法人の「財務三基準」と言います。
そのうちの一つ「遊休財産額保有制限」の呼称が変わりました。
さらに、「1年分の公益目的事業費相当額」は原則として過去5年間の公益目的事業費の平均値として算出することがポイントです。
従来(遊休財産規制)
「公益法人は、毎事業年度の末日において現に使用されておらず、かつ引き続き使用されることが見込まれない財産(遊休財産)を1年分の公益目的事業費相当額を超えて保有してはならない。」と規制されます。
しかしながら「1年分の公益目的事業費相当額」は、各事業年度の公益目的事業費を基に算定されるため、毎事業年度の末日まで保有できる遊休財産の上限額が定まらないという不確実性が存在しました。
改正(使途不特定財産規制)
「遊休財産」という名称を、よりその性質を端的に表す「使途不特定財産」に変更しました。
保有の上限額となる「1年分の公益目的事業費相当額」は、過去5年間の公益目的事業費を基に算定することを原則とします(法人の事業が年々拡大している場合など、当該事業年度又は前事業年度の数値を基礎とした方が法人の活動規模を測る数値として適切な場合には、これらを基礎に算定することも可能)。
また、保有制限の対象となる「使途が特定されていない財産」のうち、災害等の予見し難い事由に対応し公益目的事業を継続するために必要となる公益目的事業財産(公益目的事業継続予備財産)という考え方を新設し、保有制限の対象から除外します。
控除対象財産
以下が控除対象財産です。
令和6年会計基準では、「貸借対照表の注記(3)使途拘束資産(控除対象財産)の内訳と増減額及び残高」に記載します。同会計基準に移行するまでの間は定期提出書類別表C(2)「控除対象財産」に記載します。
①公益目的保有財産【公】継続して公益目的事業の用に供する公益目的事業財産。
複数年度にわたって保有し続けることが想定されており、固定資産が基本的に想定されます。
不可欠特定財産、定款に定めた基本財産のうち、公益目的事業財産が該当します。
また、寄附等によって受け入れた財産で、交付者の定めた使途に従って公益目的事業に継続的に使用されている公益目的事業財産も該当します。
②法人活動保有【収・法】特定の使途に継続的に使用されている公益目的事業財産以外の財産。
複数年度にわたって保有し続けることが想定されており、固定資産が基本的に想定されます。
定款に定めた基本財産のうち、公益目的事業財産以外のものが該当します。
また、寄附等によって受け入れた財産で、交付者の定めた使途に従って特定の業務又は活動に継続的に使用されている財産(公益目的事業財産を除く)も該当します。
③公益充実資金【公】公益目的事業を充実させるため将来において必要となる資金。
事業単位を横断するような大括りの使途設定ができるほか、公1・公2をまたぐ資源分配も行うことができます。
資金の目的を定め、資金の使途等についての書類を作成し行政庁に提出、公表する必要があります。
④資産取得資金【収・法】特定の法人活動保有財産の取得又は改良に充てるため、積立てる資金。
目的とする事業や時期が具体的である必要があります。
⑤特定費用準備資金【収・法】公益目的事業以外の将来の特定の活動の実施のために。法人の任意で積立てる資金。
目的とする事業や時期が具体的である必要があります。
⑥指定寄附資金【公・収・法】寄附その他これに類する行為によって受け入れ、財産を交付した者の定めた使途に充てるため保有している資金。
指定寄附資金が控除対象財産として位置づけられるには、相当の期間内に当該資金が費消される見込みがあることが求められ、長期に渡り使用されていない場合には説明が必要です。
1年分の公益目的事業費相当額
従来
改正
公益目的事業継続予備財産
特徴
○法人の実情に応じた必要な財産を自ら開示する
○公益のために活用されないものが混じってはいけない
○予備財産額の妥当性が重要になる
要件
① 資金保有の必要性
(ⅰ法人の事業内容、ⅱ資産・収支の状況、ⅲ想定する公益目的事業の継続が困難となる事態、ⅳ平時の取組の状況)
② 必要額の算定(ⅴ)
③ 予備財産額が必要額を超えないこと
イメージ
公表
上記①から③の内容を毎事業年度の経過後三か月以内に、法人自らがホームページ等で公表しなければなりません。