税金豆知識

04/15/2020

国税通則法 (6)

確定申告書に記名押印するのは、慣習によるものか?

申告書、申請書、届出そのたの書類を提出する者は、その提出する書類に指名及び住所又は居所を記載しなければならないこととされています(国税通則法124)。

妻と離婚することになり、居住用不動産を財産分与したが、慰謝料として渡したものであるため、譲渡所得の申告は不要と考えていいか?

不動産を分与(所有権移転)した場合、その時の不動産の時価で譲渡が行われたことになるため、その不動産の時価を譲渡価額として譲渡所得の計算を行います(所得税法36①②、所得税基本通達33-1の4)。
なお、分与した不動産が財産分与者の居住用である場合は、各種居住用財産の特例の適用が受けられることがあります。

居住用不動産の取得費の計算において、事業用資産の償却率を適用して償却費相当額を算出していいか?

非事業用資産の耐用年数は省令で規定する耐用年数に1.5を乗じて計算した年数を基に、残存価額を10%とする旧定額法に準じて計算することとなります。
なお、耐用年数に1.5を乗じて計算した年数に1年未満の端数が生じたときは、その端数は切り捨てて、また、また、経過年数の6か月以上の端数は1年とし、6か月未満の端数は切り捨てます(所得税法施行令85)。

令和×年の還付申告書を提出できる最終日は、法定申告期限日である令和×1年3月15日から5年後の令和×6年3月15日か?

所得税の還付申告書を申告できる期間は、申告書を提出できる日から起算して5年間です(国税通則法74①)。
還付申告書の提出期間は、翌年1月1日から3月15日までです。還付請求できる日は、申告義務の有無に関係なく翌年の1月1日に統一されています。
したがって、令和×年の還付申告書を提出できる最終日は、その5年後の応当日の前日である令和×5年12月31日です。

居住者が年の途中で日本を出国する(外国で暮らす)場合、納税管理人を定めていても、出国する日までにその年の確定申告書を提出しなければならないか?

所得税法上の「出国」とは、納税管理人を定めずに国内に住所及び居所を有しなくなる場合をいいます(所得税法2①四十二)。
したがって、問いの場合は「出国」に該当せず、納税管理人を通じて通常の確定申告期間(翌年2月16日から3月15日まで)に確定申告を行うことになります(国税通則法117、所得税法120、126、127)。

更正の請求は、どんなときに行うのか?

更正の請求書が提出されると、税務署ではその内容の検討をして、納め過ぎの税金がある等(繰越損失の金額が増える場合を含む。)と認めた場合には、減額更正(更正の請求をした人にその内容が通知されます。) をして税金を還付することになります。
したがって、所得金額の増減や所得控除の追加があっても、最終的な税額に異動がない場合は、更正の請求はできません。
更正の請求ができる期間は、原則として法定申告期限から5年以内です。

土地等譲渡所得 (16)

所有する不動産を売却したところ、譲渡損失が発生した。
その譲渡損失と給与所得を損益通算していいか?

不動産の譲渡により生じた損失の額を、他の所得と損益通算することは原則としてできません(租税特別措置法31①、32①)。
ただ、不動産の売却であっても、次の特例を適用することにより、譲渡損失の金額と他の所得との損益通算及び翌年以降への損失の繰り越しが認められます。

・居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(租税特別措置法41の5)。
・特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(租税特別措置法41の5の2)。

所有する不動産を売却したところ、譲渡損失が発生した。
その譲渡損失と給与所得を損益通算していいか?

不動産の譲渡により生じた損失の額を、他の所得と損益通算することは原則としてできません(租税特別措置法31①、32①)。
ただ、不動産の売却であっても、次の特例を適用することにより、譲渡損失の金額と他の所得との損益通算及び翌年以降への損失の繰り越しが認められます。

・居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(租税特別措置法41の5)。
・特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(租税特別措置法41の5の2)。

不動産を売却する際に支払った抵当権抹消登記費用を譲渡費用に加算して譲渡所得の計算を行っていいか?

抵当権を抹消することが不動産を売却する前提として必要であったとしても、売買を実現するために直接要した費用ではないため、譲渡費用には含まれません(所得税基本通達33-7)。

所有する不動産を売却したところ、譲渡損失が発生した。
その譲渡損失と給与所得を損益通算していいか?

不動産の譲渡により生じた損失の額を、他の所得と損益通算することは原則としてできません(租税特別措置法31①、32①)。
ただ、不動産の売却であっても、次の特例を適用することにより、譲渡損失の金額と他の所得との損益通算及び翌年以降への損失の繰り越しが認められます。

・居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(租税特別措置法41の5)。
・特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(租税特別措置法41の5の2)。

特例の内容、要件は何か?

保証債務の履行とは、本来の債務者が債務を弁済しないときに保証人などが肩代りをして、その債務を弁済することをいいます。
保証債務を履行するために土地建物などを売った場合には、所得がなかったものとする特例があります(所得税法64)。

所得がなかったものとする部分の金額は次の3つのうち一番低い金額です。
① 肩代りをした債務のうち、回収できなくなった金額
② 保証債務を履行した人のその年の総所得金額等の合計額
③ 売った土地建物などの譲渡益の額

この特例を受けるには、次の3つの要件すべてに当てはまることが必要です。
① 本来の債務者が既に債務を弁済できない状態であるときに、債務の保証をしたものでないこと
② 保証債務を履行するために土地建物などを売っていること
③ 履行をした債務の全額又は一部の金額が、本来の債務者から回収できなくなったこと
この「回収できなくなったこと」とは、本来の債務者が資力を失っているなど、債務の弁済能力がないため、将来的にも回収できない場合をいいます。

保証債務を履行するために資産を売却したが、なかなか買手がつかなかったので、銀行借入によって履行した。
その後土地を売却し、売却代金を銀行からの借入金返済に充当した。
このとき、保証債務を履行するために資産を譲渡した場合の課税の特例を適用してもいいか?

借入金を返済するための資産の譲渡が、実質的に保証債務を履行するためのものであると認められるときは、「保証債務を履行するための譲渡があった場合」に該当します。
なお、その譲渡が保証債務を履行した日からおおむね1年以内に行われている場合は、実質的に保証債務を履行するために譲渡があったものとして差支えありません(所得税基本通達64-5)。

居住用不動産の取得費の計算において、事業用資産の償却率を適用して償却費相当額を算出していいか?

非事業用資産の耐用年数は省令で規定する耐用年数に1.5を乗じて計算した年数を基に、残存価額を10%とする旧定額法に準じて計算することとなります。
なお、耐用年数に1.5を乗じて計算した年数に1年未満の端数が生じたときは、その端数は切り捨てて、また、また、経過年数の6か月以上の端数は1年とし、6か月未満の端数は切り捨てます(所得税法施行令85)。

売却した不動産は、過去に特定の居住用財産の買換えの特例の買替資産として取得したものである。
実際の取得価額を基に譲渡所得の計算を行っていいか?

特定の居住用財産の買換えの特例(租税特別措置法36の2)の適用を受けた買替資産を売却した場合の取得価額は、実際の取得に要した価額ではなく、買換えの特例の適用を受けた譲渡資産の取得価額と譲渡費用の合計額を基に所定の方法により計算した金額となります(租税特別措置法36の4、租税特別措置法施行令24の3)。

父から相続した不動産を売却したが、当該不動産は相続税の課税対象とされていたため、その相続税評価額を取得費として譲渡所得の計算を行っていいか?

相続により取得した不動産は、被相続人が実際に取得した時期と価額を引き継ぐことになります(所得税法60①一)。
なお、相続開始の翌日から相続税の申告書の提出期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡した場合には、相続税額のうち、一定の計算方法により計算した額を譲渡所得の金額の計算上取得費として加算することができます(租税特別措置法39①)。

所有する土地を売却するために借地人に支払った立退料は、譲渡費用に当たるとして譲渡所得の計算を行っていいか?

借地権を消滅させた後にその土地を売却したことは、旧借地権部分と旧底地部分をそれぞれ譲渡したことになります。
そして、借地権を消滅させるために借地人に支払った対価(立退料)は、旧借地権の取得費となり、旧借地権部分は短期譲渡所得となります(所得税基本通達33-11の2、38-4の2)。

妻と離婚することになり、居住用不動産を財産分与したが、慰謝料として渡したものであるため、譲渡所得の申告は不要と考えていいか?

不動産を分与(所有権移転)した場合、その時の不動産の時価で譲渡が行われたことになるため、その不動産の時価を譲渡価額として譲渡所得の計算を行います(所得税法36①②、所得税基本通達33-1の4)。
なお、分与した不動産が財産分与者の居住用である場合は、各種居住用財産の特例の適用が受けられることがあります。

父の相続財産の遺産分割において、長男が全ての財産を相続する代わりに、従来から所有していたA不動産を代償財産として弟に引き渡した。
譲渡所得の申告は不要と考えていいか?

長男が弟にA不動産を引き渡した時点で、A不動産を時価により譲渡したことになり、譲渡所得の課税対象になります(所得税法36①②、所得税基本通達33-1)。

相続財産のほとんどが不動産の場合、法定相続割合で共有にしてしまうと後々トラブルが予想されるが、どうしたらいいのか?

代償分割とは、遺産の分割に当たって共同相続人などのうちの1人又は数人に相続財産を現物で取得させ、その現物を取得した人が他の共同相続人などに対して代償金を与える方法です。
つまり、ある相続人にその不動産を相続させる代わりに、他の相続人に対して代償金を支払うのです。

父は、自身が所有する時価3,000万円の不動産を1,000万円で長男に売却した。
譲渡価額は3,000万円として譲渡所得の計算をしていいか?

父は、譲渡価額を1,000万円として譲渡所得の計算を行い、長男は、時価と売買価格との差額2,000万円について贈与税が課されます(所得税法36①、相続税法7)。
なお、問いは、時価の2分の1未満の価額で譲渡した場合に該当するので、父の譲渡価額が取得費と譲渡費用の合計額に満たないときは、その不足額は譲渡所得の金額の計算上なかったものとみなされます(所得税法592、所得税法施行令169)。

法人に対して、時価3,000万円の不動産を1,000万円で売却したため、譲渡価額は1,000万円として譲渡所得の計算をしていいか?

個人が法人に対して、時価の2分の1未満の価額で譲渡した場合には、時価により譲渡したものとみなされます(所得税法59①二、所得税法施行令169)。
したがって、譲渡価額は3,000万円です。

売買契約において、売却後の期間に対応する固定資産税精算金を買主が支払う旨の特約があったが、売買価格にのみをもって譲渡価額としていいか?

売買契約書の特約条項欄の内容を確認し、固定資産税の精算金があり、売買価格とは別に受領している場合は、その金額を譲渡価額に加算します(所得税法36①)。
一方、買主も同様にその金額を取得価額に加算します。

所得税 (13)

給与所得者がゴルフ会員権を売却し譲渡損失が発生した場合、給与所得を損益通算することはできるか?

生活に通常必要でない資産の譲渡損失は、他の所得と損益通算することはできません(所得税法69②、所得税法施行令200)。
ゴルフ会員権も生活に通常必要でない資産に該当します

扶養している妻の年金から後期高齢者医療保険の保険料が天引きされている。これは、夫の社会保険料控除の対象になるか?

社会保険料控除は、居住者が、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合は、支払った金額を控除することとされています
(所得税法74①)。
したがって、問いの場合のように、妻の公的年金から徴収された保険料は、妻が支払ったものであるから、夫の社会保険料控除の対象にすることはできません
なお、夫が妻の保険料を支払った(普通徴収)場合には、夫の社会保険料控除の対象になります。

指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)に支払った施設サービス費のうち、介護費、食事及び居住費の自己負担額は、全額が医療費控除の対象となるか?

指定介護老人福祉施設、指定地域密着型介護福祉施設に支払った施設サービス費のうち、介護費、食事及び居住費の自己負担額の2分の1が医療費控除の対象となります。

支払った医療費の額を上回る補填金(A病気に係るもの)の額は、他の医療費(B病気に係るもの)から差し引くのか?

補填の対象となる医療費ごとに補填金の差引計算をします(所得税法73①)。
なお、支払った医療費の額を上回る補填金が支給された場合に、その上回ることとなった金額について所得税は課されません(所得税法9①十七、所得税法施行令30一)。

振り込め詐欺により金銭を搾取された場合に、その損失は雑損控除の対象になるか?

雑損控除は、「災害又は盗難若しくは横領」により生じた損失に限定されています(所得税法72①、所得税法施行令9)。
したがって、振り込め詐欺により金銭を搾取された場合の損失は、雑損控除の対象とはなりません。

税込経理方式を採用し、納付すべき消費税等について未払金経理をしている事業所得者が所得税と消費税の修正申告をすることになった。
修正申告により追加納付する消費税等の金額を、修正申告の対象年分の事業所得の計算上、必要経費に算入していいか?

修正申告により追加納付する消費税等の金額は、消費税等の修正申告を提出する日の属する年分の事業所得の計算上、必要経費に算入することとなります。
したがって、修正申告の対象年分では損金算入できません。

年の途中で業務用不動産を購入するに当たり、不動産の売買代金とは別に、その不動産に係る固定資産税相当額を所有期間に応じて月割計算して売主に支払った場合、租税公課として必要経費に算入してもいいか?

業務用に供される資産に係る固定資産税は必要経費に算入するとされています(所得税基本通達37-5)。
固定資産税は、その年の1月1日における所有者に課税されますから、年の途中で不動産を売買した場合で、買主が当該不動産に係る固定資産税相当額を所有等で按分して売主に支払ったとしても、買主はその不動産に係る固定資産税の納税義務者ではないので所得税基本通達37-5は適用されません。
問いの場合、買主が支払った固定資産税相当額は、当該不動産の取得価額に算入することとなります。

一括償却資産として申告したものの一部を除却したので、その未償却残高を除却損として必要経費に算入してもいいか?

一括償却資産は、その年以後にその全部又は一部につき滅失、除却等の事実が生じたときであっても、業務の用に供した日以後3年間にわたって、その取得価額の3分の1に相当する金額を必要経費に算入することとなります(所得税基本通達49-40の2)。

家内労働者等に必要経費を認めてくれるのか?

家内労働者等とは、家内労働法に規定する家内労働者や、外交員、集金人、電力量計の検針人のほか、特定の者に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする人をいいます。
事業所得又は雑所得の金額は、総収入金額から実際にかかった必要経費を差し引いて計算することになっています。しかし、家内労働者等の場合には、必要経費として65万円(令和2年分以降は55万円)まで認められる特例があります

自宅で音楽教室を開いて複数の生徒に音楽の指導を行って授業料を受領しているのだが、家内労働者等の必要経費の特例が適用されるのか?

家内労働者等の必要経費の特例は、特定の者に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする者に対して適用されます。
したがって、問いの場合のように、複数の者に対して役務の提供を行うのであれば、この特例の適用はありません(租税特別措置法27、租税特別措置法施行令18の2、家内労働法2②)。

一括償却資産の償却は、どうするのか?

一括償却資産とは、取得価額が20万円未満の減価償却資産で、当該減価償却資産の全部又は特定の一部を一括したものをいいます(所得税法施行令139)。
税務上、償却費は、取得価額の合計額×当期の月数÷36で計算します。

不動産貸付けが事業として行われているかどうかの判定は、どうするのか?

不動産の貸付けが事業として行われているかどうかについては、原則として社会通念上事業と称するに至る程度の規模で行われているかどうかによって、実質的に判断します。
ただし、建物の貸付けについては、次のいずれかの基準に当てはまれば、原則として事業として行われているものとして取り扱われます
① 貸間、アパート等については、貸与することのできる独立した室数がおおむね10室以上であること。
② 独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること。

上場株式の配当を申告する際に、所得税の計算上、源泉徴収された税額のすべてを源泉徴収税額として差し引いていいのか?

平成26年1月1日以後、上場株式等の配当等の支払いを受ける際には、所得税(復興特別所得税を含む。)15.315%、住民税5%の割合で源泉徴収されています。
したがって、確定申告に当たり、所得税の納付税額は所得税の源泉徴収税額のみ差し引いて計算し、住民税は差し引けません
なお、住民税の5%は、確定申告書第二表の「住民税に関する事項」の「配当割額控除額」欄に記載します。

株式等譲渡所得 (9)

令和元年に上場会社であるA株式会社及びB株式会社から受領した配当の確定申告を行うに当たり、A株式会社に係る配当については総合課税を選択し、B株式会社に係る配当については申告分離課税を選択した。
問題はあるか?

上場株式等の配当等に係る配当所得を確定申告する場合には、その申告をする上場株式等の配当等に係る配当所得のすべてについて、総合課税又は申告分離課税のいずれか一方を選択することになります租税特別措置法8の4②)。

過去3年の各年分に生じた上場株式等に係る譲渡損失の金額があり、当年も上場株式等に係る譲渡損失が生じている場合、当年の上場株式等に係る配当所得からこれらの損失を差し引く順序は、納税者に有利なように、一番古い年分からと考えていいか?

損益通算と繰越控除の両方がある場合、上場株式等に係る配当所得等(上場株式等に係る利子所得又は申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得)から損失を控除する順序は次のとおりとなります(租税特別措置法37の12の2⑤、租税特別措置法施行令25の11の2⑧)。
① 本年分(損益通算)
② 本年の3年前分
③ 本年の2年前分
④ 本年の前年分

令和元年分の上場株式等の配当等に係る配当所得について、申告分離課税を選択するとともに配当控除を適用して申告した。
問題はあるか?

申告分離課税を選択した上場株式等の配当等に係る配当所得についは、配当控除をすることはできません(租税特別措置法8の4①)。

平成30年に上場株式等に係る譲渡損失の金額があったが、確定申告をしていなかった。
令和元年分で上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除はできるか?

上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除を適用するためには、譲渡損失が生じた年分について確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)を添付した確定申告書を提出するとともに、その後の年分についても確定申告書付表を添付した確定申告書を連続して提出する必要があります。
この確定申告書には期限後申告書が含まれます。

したがって、平成30年分について特例を適用した期限後申告書を提出すれば、令和元年分の当初申告において繰越控除の適用を受けることができます。
なお、令和元年分の申告をした後に平成30年分の期限後申告書を提出し、令和元年分について繰越控除を求める更生の請求をすることはできません

所有していた株式の発行会社が倒産したため、取得価額の全額を譲渡損失として、株式の譲渡益を損益通算して申告していいか?

所有していた譲渡所得の起因となる株式の発行会社の倒産等によりその所有する株式の価値がなくなったとしても、譲渡したことにはならないので、譲渡損失とすることはできません
ただし、倒産等で事業所得又は雑所得の起因となる株式の価値がなくなった場合、取得価額相当額は、その事業所得又は雑所得の必要経費に算入します(所得税法37①、51④、租税特別措置法37の10、37の11)。
なお、特定口座で管理されている株式の会社が上場廃止後、清算決了等をした場合で一定の要件を満たす場合には、譲渡による損失の金額とみなすとともに、その損失の金額は上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例の適用が受けられます(租税特別措置法37の11の2①)。

専業主婦の妻が源泉徴収選択口座で50万円の利益を出したため、夫の所得税の計算において配偶者控除の適用は受けられないとする申告を行った。
問題はあるか?

申告不要の意思をした源泉徴収選択口座における所得又は損失の金額は、所得税法2条1項30号(寡婦)から34条の4(老人扶養親族)の判定に用いられる「合計所得金額」及び所得税法施行令11条(寡婦の範囲)2項、11条の2(寡夫の範囲)2項に規定する「その年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額」に含まれません(租税特別措置法施行令25の10の12①一)。
したがって、妻が源泉徴収選択口座における所得を申告しないのであれば、50万円は妻の合計所得金額には含まれず、「合計所得金額が38万円以下である者」という要件を満たすことから、夫の所得税の計算において配偶者控除の適用を受けることができます(所得税法2①三十三、三十三の二)。

令和元年分の上場株式の取引で損失が発生した。これ以外に給与所得と上場株式等の配当所得があるので、上場株式等の配当所得について総合課税を選択の上、上場株式等に係る譲渡損失の金額と損益通算して申告した。
問題はあるか?

上場株式等に係る譲渡損失の金額がある場合には、上場株式等に係る配当所得の金額と損益通算することができますが、この損益通算の対象となる上場株式等に係る配当は、申告分離課税を選択したものに限られます(租税特別措置法8の4①、37の12の2①)。
なお、平成27年1月1日以後の譲渡から、この損益通算の対象に、特定公社債等の利子所得(特定公社債等の利子、公募公社債投資信託の収益の分配等)が追加されています。

令和元年中に証券会社を通じて売却した上場株式の譲渡損と同年中の非上場株式の譲渡益を通算して申告していいか?

平成28年1月1日以後、株式等の譲渡については、一般株式等に係る譲渡所得等と上場株式等に係る譲渡所得等に区分して計算することとなり、それぞれの所得の損失については生じなかったものとみなされます。
したがって、一般株式等に係る譲渡所得等と上場株式等に係る譲渡所得等の損益を通算することはできません(租税特別措置法37の10①、37の11①、租税特別措置法関係通達37の10・37の11共-3)。

「整理ポスト」、「監理ポスト」内にある銘柄を譲渡したが、上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例は適用できるか?

「整理ポスト」、「監理ポスト」に割り当てられた株式等は、まだ上場廃止となっていないので、上場株式等に該当し、上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例は適用対象となります(租税特別措置法37の12の2)。

消費税 (8)

個別対応方式と一括比例配分方式は、毎年有利な方を自由に選択していいか?

一括比例配分方式を適用した事業者は、2年間以上継続して適用しなければなりません(消費税法30⑤)。
この場合において、一括比例配分方式を適用した翌課税期間の課税売上割合が95%以上になったことにより、課税仕入の税額が全額控除された場合も、一括比例配分方式を継続適用したことになります(消費税基本通達11-2-21)。

個人事業者が2階建ての店舗兼住宅を取得し、1階を店舗、2階を居住用として使用する場合、その支払対価の全額が課税仕入に該当するか?

家事共用資産を取得した場合は、その家事消費又は家事使用に係る部分は、課税仕入に該当しません
この場合には、支払対価の額をその資産の消費又は使用の実態に基づく使用率、使用面積割合等の合理的な基準により、按分して計算します(消費税基本通達11-1-4)。

前々年(基準期間)の中途で新たに個人事業を開始した場合、その基準期間の課税売上高を年換算したところで納税義務の判定をするのか?

基準期間において事業を行っていた期間が1年に満たない場合であっても、個人は法人とは異なり、課税売上高を1年に換算する必要はありません(消費税基本通達1-4-9)。

相続により父親の事業を承継した。
父親の基準期間の課税売上高は1,000万円を超えていたが、自身の課税売上高は1,000万円以下であったので、納税義務はないと判断していいか?

自己が免税事業者である相続人の場合、相続があった年の納税義務は、被相続人の基準期間における課税売上高により判定します(消費税法10①)。
また、その翌年又は翌々年については、相続人と被相続人の課税売上高の合計が1,000万円を超えているかどうかで判断します(消費税法10②)。
なお、いずれの場合も共同相続の場合には、被相続人の基準期間における課税売上高は、その相続分に応じた割合を乗じた金額となります。

簡易課税制度では、事業形態ごとに仕入控除税額を計算するのか?

簡易課税制度とは、実際の仕入に係る消費税額を計算せずに、一定の率を用いて簡易に仕入に係る消費税額を計算する制度をいいます。
簡易課税制度においては、事業形態により、以下の率を適用して仕入控除税額を計算します。

 

事業区分 該当する事業 みなし仕入率
第一種事業 卸売業 90%
第二種事業 小売業 80%
第三種事業 製造業 70%
第四種事業 飲食店業、その他の事業 60%
第五種事業 金融及び保険業 、運輸通信業、サービス業(飲食店業を除く)。 50%
第六種事業 不動産業 40%

賃貸人と賃借人との間で、その用途を住宅として契約し、賃借人が賃貸人に無断で事務所として使用した場合、当該建物の賃借料は賃借人の課税仕入に該当するか?

消費税法において住宅の貸付が非課税となるのは、契約において人の居住の用に使用することが明らかにされている場合に限られています(消費税法6①、同法別表1十三、消費税基本通達6-13-8(注))。
したがって、その契約を変更しない限り当初の契約により非課税となり、賃借人は仕入課税控除の対象とすることはできません。

貸店舗の賃料を地代と家賃に区分する契約を行っていた場合、土地部分は非課税になるか?

建物その他の施設の貸付等にともなって土地を使用させる場合において、建物の貸付等に係る対価と土地の貸付等に係る対価を区分しているときであっても、その貸付は建物の貸付であって、建物の貸付等に係る対価を便宜的に区分しているにすぎないと認められます(消費税法施行令8、消費税基本通達6-1-5(注)2)。
したがって、その全体の賃貸料が資産の貸付等の対価として、課税の対象になります。

賃貸マンション売却の際に、買主との合意に基づき固定資産税の未経過分を別途買主から受領した。
これは課税標準に含めるべきか?

未経過分に相当する金額を、当該資産の譲渡について収受する金額とは別に収受している場合であっても、当該未経過分に相当する金額は当該資産の譲渡の金額に含まれることになります。
したがって、固定資産税の未経過分を含めた譲渡金額のうち、建物部分が課税の対象になります(消費税基本通達10-1-6)。

贈与税 (10)

祖父から1,000万円の贈与を受け、教育資金の非課税制度の適用を受けている受贈者が40歳に達した。
1,000万円のうち800万円は学校等へ支払い、教育資金口座には200万円の残高があったが、教育資金の贈与であるため非課税としていいか?

教育資金口座に係る契約は、次のいずれかの場合に終了します(①の括弧書き、②及び③については、令和元年7月1日以後に限る。)。

① 受贈者が30歳に達したこと(その受贈者が30歳に達した日において学校等に在学している場合又は教育訓練を受けている場合(これらの場合に該当することについて取扱金融機関の営業所等に届け出た場合に限る。)を除く。)。
② 30歳以上の受贈者がその年中のいずれかの日において学校等に在学した日又は教育訓練を受けた日があることを、取扱金融機関の営業所等に届け出なかったこと。
③ 受贈者が40歳に達したこと。
④ 受贈者が死亡したこと。
⑤ 口座等の残高がゼロとなり、教育資金口座に係る契約を終了させる合意があったこと。

なお、①から⑤のいずれか(④を除く。以下「終了事由」という。)に該当した場合に、贈与を受けた金額から教育資金として支出した金額を控除した残額があるときは、その残額は、終了事由に該当した日の属する年の贈与税の課税価格に算入されます(租税特別措置法70の2の2)。ただ、④に該当した場合には、贈与税の課税価格に算入されるものはありません。
したがって、教育資金口座の残額200万円について、贈与税の課税価格に算入されます

贈与を受けた金銭について、教育資金非課税申告書を提出していないが、教育資金であるため非課税としていいか?

教育資金の非課税の特例の適用を受けるためには、教育資金口座の開設等を行った上で、その適用を受けようとする受贈者が教育資金非課税申告書を取扱金融機関の営業所等を経由して、預貯金等の預入等をする日までに、受贈者の納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません(租税特別措置法70の2の2)。
したがって、預入等期限までに教育資金非課税申告書の提出がない場合には、その特例を受けることはできません。

祖父から1,000万円の贈与を受け、結婚・子育て資金の非課税制度の適用を受けていたが、その祖父が亡くなった。
1,000万円のうち700万円は子育て資金として使用し、結婚・子育て資金口座には300万円の残額があるが、何も手続きをしなくてもいいか?

贈与者が死亡した事実を知ったときは、速やかに贈与者が死亡した旨を取扱金融機関の営業所等に届け出なければなりません(租税特別措置法70の2の3⑩一)。
また、贈与者が死亡した日において管理残額があるときはその管理残額は、その贈与者から相続又は遺贈により取得したものとみなされます(租税特別措置法70の2の3⑩二)。
したがって、受贈者は取扱金融機関の営業所等に管理残額を確認し、この残額と祖父から相続又は遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した各人の課税価格の合計が、遺産に係る基礎控除額を超える場合は、相続税の申告をする必要があります。

令和元年10月に妻が父から2,000万円の贈与を受けて土地を購入し、令和2年2月に夫が自己資金で住宅用家屋を新築した。
妻が父から受けた2,000万円の贈与について、住宅取得等資金の贈与税の非課税の適用は受けられるか?

新築された住宅用家屋を受贈者である妻が取得(共有持分の取得を含む。)していない場合は、特定の適用はありません。

父からの住宅用家屋の贈与について、住宅取得等資金の贈与の特例の適用を受けられるか?

住宅取得等資金の贈与の適用の対象となる財産は、住宅用家屋の新築もしくは取得又は増改築の対価にあてるために贈与を受けた金銭のみです
したがって、住宅用家屋そのものの贈与については、その特例を受けることはできません(租税特別措置法70の2①、70の3①)。

相続時精算課税を選択して贈与税の計算をしている者が、特定贈与者から100万円の現金贈与を受けたが、贈与税の基礎控除額である110万円以下の金額であるため申告は不要とした。
問題はあるか?

相続時精算課税を選択した場合、その年分以後その特定贈与者からの贈与については、暦年課税に係る贈与税の基礎控除の規定は適用されないため、110万円以下であっても申告する必要があります(相続税法21の11、21の9③)。

64歳の父と62歳の母から、それぞれ2,500万円ずつの現金の贈与を受け、それぞれ相続時精算課税を選択した。特別控除額の合計額は2,500万円であるとして贈与税の計算を行っていいか?

相続時精算課税に係る特別控除額は、選択した特定贈与者ごとにそれぞれ適用されます
したがって、同年中の贈与であっても、父、母からの贈与についてそれぞれ2,500万円ずつ特別控除額を適用の上、課税価格をゼロとして申告することとなります(相続税法21の12①)。

贈与を受けた年の年末で婚姻期間が20年となるため、贈与税の配偶者控除を適用できるか?

婚姻期間20年は、婚姻の届出日から贈与の日までの期間であり、1年未満の端数は切捨てとなります(相続税法21の6①④、相続税法施行令4の6②、相続税基本通達21の6-7)。
そのため、贈与を受けた年の年末で、婚姻期間が20年となる場合であっても、贈与を受けた日では婚姻期間が19年となり、贈与税の配偶者控除の適用はありません。

利害関係のない法人から現金200万円を受け取ったが、贈与税の申告をしなければならないか?

法人からの贈与については、贈与税ではなく、一時所得として所得税の対象となります(相続税法21の3①一、所得税基本通達34-1(5))。

長男は、借地の上に建っている父所有の建物の贈与を受けるとともに、土地の賃貸借契約書の名義も父から長男に変更した。
建物の評価のみで、贈与税の計算をしてもいいか?

借地権部分についても評価し、父から贈与を受けたとして贈与税の申告をする必要があります。
ただし、契約書の名義を変更せず、使用貸借により借地権を父から長男に転借する場合は、建物だけの贈与となります。このとき、「借地権の使用貸借に関する確認書」の提出をする必要があります。

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贈与税 (1)

父からの住宅用家屋の贈与について、住宅取得等資金の贈与の特例の適用を受けられるか?

住宅取得等資金の贈与の適用の対象となる財産は、住宅用家屋の新築もしくは取得又は増改築の対価にあてるために贈与を受けた金銭のみです
したがって、住宅用家屋そのものの贈与については、その特例を受けることはできません(租税特別措置法70の2①、70の3①)。

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Posted by matsui