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中小企業・個人事業主向け税制改正の3つのポイント

06/11/201802/11/2019中小企業会計

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中小企業のために、知って役立つ、使って得する、税制改正のポイントを説明します。

最も関心があると思われる3点に絞りました。税制を有効活用して、事業の承継・発展にお役立てください。

目次
  • 1. 事業承継支援の抜本強化
    • 1.1. 特例事業承継税制の創設
    • 1.2. 事業継承・持続化の補助金
  • 2. 所得拡大促進税制の延長・拡充
    • 2.1. 通常の法人税控除
    • 2.2. 上乗せの法人税控除
  • 3. 中小企業経営強化税制
    • 3.1. 経営力向上計画の認定を受けると
    • 3.2. 経営力向上計画の認定を受けなくても

事業承継支援の抜本強化

特例事業承継税制の創設

社長からの質問

事業承継税制が変わったそうですね。10年以内に後継者に引き継ぐ必要があると聞きましたが、本当ですか?

そもそも事業承継税制とは、非上場会社の株式等を先代経営者から相続又は贈与により取得した場合において経営承継円滑化法における都道府県知事認定を受けた場合に、相続税・贈与税の納税が猶予又は免除される特例制度をいいます。

現経営者からの贈与によって、後継者が取得した自社株式に対応する贈与税の納税が猶予・免除されます。また、現経営者からの相続又は遺贈によって、後継者が取得した自社株式の80%部分の相続税額が猶予・免除されます。

今回、事業承継税制が今後10年に限って大きく拡充されました。拡充された特例を適用するためには、今後5年以内に承継計画を都道府県に提出しなければなりません。もし、承継計画を提出しないと、従来の事業承継税制の適用になります。

特例事業承継税制における変更点

  • 対象株式数の上限を撤廃し、猶予割合を100%に拡大することで、承認時の贈与税・相続税の現金負担がゼロになります。
  • 従来は「親族外を含む複数の株主」であった承継対象者が、「代表者である後継者(最大3人)」へ変わりました。中小企業経営の実態に合わせた措置です。
  • 制度利用を躊躇する要因となっていた雇用要件(事業承継後5年平均で雇用の80%を維持)が事実上撤廃されました。
  • 売却額や廃業時の評価額をもとに納税額を再計算し、事業承継時の株価をもとに計算された納税額との差額を減免できるようになりました。

適用時期

2018年1月1日から2027年12月31日までの間の贈与・相続について適用されます。

事業継承・持続化の補助金

社長からの質問

後継者には事業承継を機に、新しいことにチャレンジしてほしい。何か使える支援策はないものですか。

事業承継を契機に経営革新や事業転換を行う場合、設備投資や販路拡大に活用できる補助金制度があります。

【事業承継補助金】

補助対象 設備投資、販路拡大、既存事業の廃業等に必要な経費
補助率 1/2又は2/3
補助上限 150万円から1,200万円
類型により、補助率や補助上限が異なります。

【持続化補助金】

補助対象 商工会・商工会議所と作成した経営計画をもとに取り組む販路拡大に係る経費
補助率 2/3
補助上限 50万円
賃上げや海外展開を行う場合は100万円、複数の事業者が連携した共同事業の場合は500万円が上限

補助金に関する情報は、中小企業庁のホームページに掲載されています。

補助金等公募案内 | 中小企業庁

補助金等公募案内 | 中小企業庁 ホーム 申請・お問合せ 調達・予算執行 補助金等公募案内 補助金等公募 ...

 http://www.chusho.meti.go.jp/koukai/koubo/index.html

所得拡大促進税制の延長・拡充

社長からの質問

従業員の給与アップを検討しています。法人税の控除が受けられると聞きましたが、本当ですか?

賃上げをする中小企業への支援が拡充されました。従業員の給与を前年度より増加させた場合、最大で給与増加額の25%を法人税から控除できます。

通常の法人税控除

1人当たり平均給与が前年度比で1.5%以上増加した場合に、前年度からの給与総額の増加額の15%を税額控除。

上乗せの法人税控除

1人当たり平均給与が前年度比で2.5%以上増加し、一定の要件を満たす場合に、前年度からの給与総額の増加額の25%を税額控除。

一定の要件とは、以下のいずれかを満たす場合をいいます。

  1. 教育訓練費が前年度比で10%以上増加していること。
  2. 中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画の認定を受けており、経営力向上がなされていること。

適用時期

2018年4月1日から2021年3月31日までに開始する事業年度について適用されます。

中小企業経営強化税制

経営力向上計画の認定を受けると

社長からの質問

金属加工機が古くなってので、最先端の機械に入れ替えたいと思っています。高額な設備投資なので、何か有利な税制はありませんか?

経営力向上計画の認定を受けると法人税・所得税の即時償却又は税額控除
を受けることができます。つまり、1,500万円で設備投資をした場合、取得価額1,500万円の全額を損金算入か、150万円(取得価額の10%)の税額控除かを選択適用できます。
また、固定資産税を3年間、1/2に軽減することもできます。

適用時期

平成29年4月1日から平成31年3月31日までの間に、中小企業投資促進税制及び特定中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得し、国内にあるその法人の指定事業の用に供した場合に、その指定事業の用に供した事業年度において適用されます。

詳しくは、こちらを参照してください。

中小企業等経営強化法と中小企業2017年問題

かつては東京や大阪の下町にある小さな会社が、他にまねできない技術を開発し独自の存在感を放っていま ...

 https://matsui-jicpa.net/sme-heir/

経営力向上計画の認定を受けなくても

社長からの質問

認定うんぬんではなく、もっと簡単に使える税制はないのですか?

経営力向上計画の認定を受けなくても、30%の特別償却、7%の税額控除が選択適用できます。

以上を図にまとめます。

国税(法人税、所得税)

地方税

中小企業経営強化税制

中小企業投資促進税制

商業・サービス業・農林水産業活性化税制

固定資産税の特例

特別償却 税額控除 特別償却 税額控除
個人事業主
資本金3,000万円以下の法人
即時償却 10% 30% 7% 3年間の課税標準額を2分の1に軽減
資本金3,000万円超1億円以下の法人 7% 適用なし

赤字部分の適用を受けるためには、原則、設備投資前に工業会証明・経済局確認を受けて、経営力向上計画を申請し認定を受けておくことが必要です。

中小企業会計

Posted by matsui


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