所有株式発行会社の倒産による損失

04/23/2020

所有していた株式の発行会社が倒産したため、取得価額の全額を譲渡損失として、株式の譲渡益を損益通算して申告していいか?

所有していた譲渡所得の起因となる株式の発行会社の倒産等によりその所有する株式の価値がなくなったとしても、譲渡したことにはならないので、譲渡損失とすることはできません

ただし、倒産等で事業所得又は雑所得の起因となる株式の価値がなくなった場合、取得価額相当額は、その事業所得又は雑所得の必要経費に算入します(所得税法37①、51④、租税特別措置法37の10、37の11)。

なお、特定口座で管理されている株式の会社が上場廃止後、清算決了等をした場合で一定の要件を満たす場合には、譲渡による損失の金額とみなすとともに、その損失の金額は上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例の適用が受けられます(租税特別措置法37の11の2①)。

ランダムな税金豆知識(目を通してみよう)

土地等譲渡所得 (1)

所有する不動産を売却したところ、譲渡損失が発生した。
その譲渡損失と給与所得を損益通算していいか?

不動産の譲渡により生じた損失の額を、他の所得と損益通算することは原則としてできません(租税特別措置法31①、32①)。
ただ、不動産の売却であっても、次の特例を適用することにより、譲渡損失の金額と他の所得との損益通算及び翌年以降への損失の繰り越しが認められます。

・居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(租税特別措置法41の5)。
・特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(租税特別措置法41の5の2)。

Load More

Posted by matsui