相続税の税務調査で絶対に問題となる名義預金

01/15/2018会計 税務

相続税は、他の税目に比べて申告漏れの多い税金です。相続税に関して税務調査が実施された場合、その8割は申告漏れを指摘され、追徴課税されることになります。
相続財産の内で最も申告漏れが多いのは現預金で、突出しています。なぜなら、有価証券や土地は、登録や登記によって所有者が明確になっているうえ、隠すことは難しいからです。現預金、中でも「名義預金」が申告漏れになるケースが多くあります。

名義預金とその実態

「名義預金」とは、文字どおり「名義を借りた預金」です。子供や孫の名義で預金口座を作るけれど、実際に管理しているのは自分、というのが実態です。
「名義預金」は相続財産に含まれない、と真剣に考えている方がいるかもしれません。名義が子供や孫になっているから、自分の財産ではないと。しかし、小さな子供が自身で金融機関に行って預け入れ行為をするでしょうか。印鑑を所持しているでしょうか。

税務署の考え

預金通帳や印鑑を一体で管理している本人が、子供や孫の名前を使った別の本人口座に財産を移し替える。これが税務署のものの見方です。
つまり、「名義預金」も本人の財産であり、相続財産に含まれます。引き出されたことが一度もない。A男くん、B子ちゃん、C介くん、いろいろな通帳があるけれど、どれも同じ日に預け入れがあり、残高も同じ。・・・もう、これはアウトです。

上記は、本人(被相続人、亡くなった方)の側から述べました。

名義預金を申告しないわけ

実際に相続手続きをして相続税を申告するのは、相続人(子供等亡くなった方の親族)です。相続人が「名義預金」を相続財産に含めない理由は、もう一つあります。
次のように考えても不利益が生じないからです。『含めなければならないと知っているけれど、まずは含めないで申告しておこう。税務署に何か言われてからやり直せばいいから。
現行制度では、税務署が調査に来るまでの間に自主的に申告(修正申告)すると、ペナルティはかかりません。これが意図的な申告漏れを誘発しています。

しかし、2017年以降は、申告漏れをした後、税務調査までに修正申告をしても過少加算税が課せられます。

2017年以降の税務署の考え

通常、税務調査が始まる前にその旨の連絡が税務署からありますが、その時点で修正申告すると加算税が5%課せられることになります。これは、税務当局が相続課税を強化しようとしていることの一例です。
相続税の申告漏れを防ぐために、さまざまな変更が予定されています。個人財産を把握するための情報収集も強化されます。

資産税に関する税制の変更

近年の資産税制度の変更を次のようにまとめました。

時期 内容
2016年 財産債務調書の提出を義務付け
贈与税配偶者控除の利用緩和
結婚・子育て資金の一括贈与の非課税拡充
住宅取得資金の贈与の非課税枠の引き上げ
2017年 修正申告に対する加算税の強化
2018年 生命保険の支払調書の対象拡大