上場株式等に係る配当所得等から、繰り越された上場株式等に係る譲渡損失を控除する順序
過去3年の各年分に生じた上場株式等に係る譲渡損失の金額があり、当年も上場株式等に係る譲渡損失が生じている場合、当年の上場株式等に係る配当所得からこれらの損失を差し引く順序は、納税者に有利なように、一番古い年分からと考えていいか?
損益通算と繰越控除の両方がある場合、上場株式等に係る配当所得等(上場株式等に係る利子所得又は申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得)から損失を控除する順序は次のとおりとなります(租税特別措置法37の12の2⑤、租税特別措置法施行令25の11の2⑧)。
① 本年分(損益通算)
② 本年の3年前分
③ 本年の2年前分
④ 本年の前年分
株式等譲渡所得 (1)
所有していた株式の発行会社が倒産したため、取得価額の全額を譲渡損失として、株式の譲渡益を損益通算して申告していいか?
所有していた譲渡所得の起因となる株式の発行会社の倒産等によりその所有する株式の価値がなくなったとしても、譲渡したことにはならないので、譲渡損失とすることはできません。
ただし、倒産等で事業所得又は雑所得の起因となる株式の価値がなくなった場合、取得価額相当額は、その事業所得又は雑所得の必要経費に算入します(所得税法37①、51④、租税特別措置法37の10、37の11)。
なお、特定口座で管理されている株式の会社が上場廃止後、清算決了等をした場合で一定の要件を満たす場合には、譲渡による損失の金額とみなすとともに、その損失の金額は上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例の適用が受けられます(租税特別措置法37の11の2①)。
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